既婚者から騙されたとき「貞操権侵害」として慰謝料を請求できる可能性があります。
ただし相手から支払を拒絶される場合もありますし「結婚話をしたことがない」「肉体関係をもっていない」などと言い訳されるケースもあります。
相手の弁解を封じるには「貞操権侵害の証拠」が必要です。
今回は貞操権侵害にもとづく慰謝料請求のため、どのような証拠を集めれば良いのか金沢の弁護士が解説していきます。
このページの目次
1.貞操権侵害で集めるべき証拠は3種類
貞操権侵害を受けたとき、必要となる証拠は以下の3種類です。
- 相手が独身と説明していた証拠
- 相手と肉体関係をもっていた証拠
- 相手が結婚話をしていた証拠
以下でそれぞれについてどのようなものを集めれば良いか、具体例を紹介していきます。
2.相手が独身と説明していた証拠
- 相手とのLINEやメールのやり取り、音声の記録など
相手が「独身です」「未婚です」「早く家族がほしい」など、独身者であると説明しているLINEやメールなどのメッセージ、音声記録などがあれば証拠になります。
こちらから「奧さんいないですよね?」と聞いて相手が「もちろん」と返答しているものなどでもかまいません。
3.肉体関係をもった証拠
- 旅行に行ったりホテルに行ったりしたことがわかる記録
二人で旅行に行く約束をしたりホテルに宿泊したりしたことがわかるLINEやメールのやり取り、音声などの記録があれば証拠になります。
- ホテルの領収証、旅行に行ったときの領収証
ホテルを利用したときの領収証、旅行に出掛けたときの交通費や宿などの領収証があれば証拠になります。
- 妊娠・中絶の資料
妊娠・中絶した場合にはエコー写真や診断書、医療費の明細書などの資料が肉体関係の証拠になります。
4.結婚話をしていた証拠
- 婚活アプリで知り合った経緯がわかる電子記録
婚活アプリで知り合った場合、通常はお互いが婚姻意思を持っていたと考えられます。アプリ上に相手とのやり取りの記録が残っていたら証拠になります。
- 婚活パーティや結婚相談所を介して知り合った経緯がわかる資料
婚活パーティや結婚相談所を介して知り合った場合にも、通常はお互い婚姻意思をもっているものです。パーティや結婚相談所の登録内容を示す資料が証拠になります。
- 相手が結婚話をしているLINEやメールなどのやり取り
相手からLINEやメールで「結婚したいね」「子どもは〇人ほしいね」「〇〇に家を買いたいね」など結婚をほのめかす内容のメールやLINEが届いていれば、そういったものも証拠になります。
貞操権侵害で相手に慰謝料を拒否されないためには、事前にしっかり証拠を集めておくべきです。自分では何を集めて良いかわからない場合、弁護士までご相談下さい。