慰謝料を支払った後、求償できるか知りたい方へ(求償権の行使)

不倫慰謝料を支払ったら、通常、不倫相手に対する「求償権」が認められます。

求償権を行使したら支払った慰謝料の一部を返してもらえます。

今回は求償権とは何か、どのようにして求償権を行使すれば良いのかなど、ご説明していきます。

 

1.求償権とは

求償権とは、連帯債務者や連帯保証人が自分の負担部分を超えて支払いをしたとき、他の連帯債務者や主債務者へ超過支払部分の返還を求める権利です。

連帯債務とは、複数の債務者が1つの債務の支払い義務を負うタイプの負債です。それぞれの債務者が全額の支払いに応じる必要があるため、債権者から請求を受けたときに自分の負担部分を主張して「これだけしか支払えません」と反論することはできません。

しかし連帯債務者間ではお互いの「負担割合」があります。その負担割合を超えて支払ったら、超過分を他の連帯債務者へ返還請求できるのです。

不倫の慰謝料は、不倫した当事者の連帯債務となります。そこで相手の配偶者から求められて不倫慰謝料を払ったら、不倫相手に「求償権」と行使して負担割合を超えた部分の返還を求められます。

 

2.どのくらい求償できるのか

不倫慰謝料を支払った場合、どのくらいの金額を求償によって返してもらえるのでしょうか?

求償金の金額はケースバイケースです。不貞の態様やお互いの積極性の程度、年齢差や社会的地位などの諸事情により、責任度合いが異なってきます。

たとえば相手が不倫に積極的で年齢も高く、相手が上司であなたが部下、相手が大学教授であなたがゼミ生だった場合などには、一般的に相手の責任が重くなって高額な求償金を請求できるでしょう。反対にこちらが積極的に不倫を主導していた場合などには求償金額は低額になります。

相手が責任を感じて反省している場合、話し合いによって支払った慰謝料を全額返してもらえるケースもあります。

具体的にどのくらいの求償金が相当かわからない場合、弁護士までご相談下さい。

 

3,求償権を行使する際の注意点

不倫相手の配偶者と慰謝料について示談する際に「求償権を放棄する」「求償しない」などと約束していたら、求償権は行使できなくなります。後に求償を考えているなら、示談の際にこうした取り決めをしてはいけません。

 

4.不倫慰謝料で求償権を行使する方法

4-1.話し合いをする

求償金を払ってほしいなら、まずは不倫相手に直接連絡を入れて支払いを要求しましょう。相手が応じるなら合意書を作成して求償金を支払ってもらい解決できます。

 

4-2.訴訟を提起する

相手が任意に求償金の支払いに応じない場合には、訴訟を提起して求償金を支払わせる必要があります。

「高額な慰謝料請求を払ったけれど不倫相手にも責任があるはず、納得できない」という思いを抱えておられるなら、あきらめずに弁護士までご相談下さい。

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